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「上司に恵まれなかったら…オージンジ、オージンジ」 社費で海外留学し、MBAを取得したのに退職してしまった女性がいました。彼女は初めからそんなことを企んでいた、確信犯の女詐欺師ではありません。キャリアを活かし、仕事を続けることを望んでいましたし、責任を感じていました。 だから頼みやすいのかあちこちから来る部署を超えての要請にも、出来るだけ対応していました。さして重要でもないDM・手紙の翻訳、簡単な、或いは込入った英語の問い合わせ。会社のお金で留学したのですから嫌な顔をしたくない。 ところがMBAをとっても、「所詮は女の子」的扱いが続きました。彼女は悩みました。留学後5年間は勤続するという会社との約束もあります。簡単に辞めるわけにはいきません。辞めれば会社や周りの人に迷惑をかけるのはわかりきったことです。 しかし彼女は待つこと、我慢することで得られるであろう可能性に見切りをつけたのです。約束を反故にされた会社は、退職金と留学費用の相殺を提案し、彼女は同意しました。 「詐欺と言われてしまうのは悲しいけれど、そう思う人がいるのは当然のことです。悪いことをしたという気持ちは私自身もずっと持っているものだと思います。」 産休前と同じ深夜に及ぶこともあるローテーション勤務を、育児休暇明けに言い渡され、退職した女性の場合はどうでしょう。この部署ではついこの間も同じようなことがありましたっけ。部長は「遅番に入れ、人事と話せ」、人事部は「異動はできない、部長次第」と責任を擦り付け合うのも全く一緒でした。 育児や介護責任を負う人に「平等に、全く同じに働け」というのは、想像力が著しく欠如した発言です。当社のような変則勤務だと、保育所は延長料金が発生して費用がバカ高くなります。仕事を続けたいのに辞めざるを得ない目にあってしまった苦しみを想像して欲しいものです。 ある調査では、結婚や。出産、育児、介護のために仕事をやめた女性の九割以上は、保育施設や休業制度等が整備されていれば勤め続けたかったと答えています。労働省の試算によれば、途中退職し再就職した場合、働き続けるのに比べて生涯賃金の四分の一を失ってしまうのです。再就職がパートだと八割もの損失率になります。 それでも少なからぬ数の女性が会社を辞める。それは既存のシステムや価値観への抵抗の意思と、システムに風穴をあける動きです。会社を辞めていく人を「甘えている」「わがまま」と言っているだけでは、会社にとって損失は続くでしょう。 企業が女性をどのように受け入れ、活用していくか。当然女性のライフサイクルを視野においた育成、登用が問われます。男性長期雇用システムに女性を組み込むのではなく、コストをかけても女性を登用、女性を活かす雇用制度の確立が望まれます。この際、困窮度とは無関係に「妻だから」というだけで優遇される税や年金の制度はやめたらどうでしょう。 会社は労働コストを引き下げるために、必要に応じて労働力を増減したい。一方組合にとって「雇用を守る」のは大事な使命の一つ。しかし一人一人のニーズは多様化しています。これからはどうしたって、会社や組合に任せておけば何とかなるという共同体型時代から、社員一人一人が会社と向き合う契約型時代になります。個人が勇気を持って会社に主張しなければならない時代です。 会社は個人の主張を嫌いますが、個人のアイデアや意見を聞かないと生き残れないほど、追い詰められています。会社再生の芽を育てるには、自立した個人が伸びやかに生きる社会を目指すしかないのです。会社に対して個人が自分の意見を主張することは、国際競争の世界で会社が生き残ることにも繋がります。 結婚、出産退職の慣行も、世帯主でないことを理由にした間接的な女性差別も、男女雇用機会均等法や判例では違法なのです。婦人少年室等に持ち込めば指導の対象になるものが多いとも言われています。不利益があれば申し出て解決していくことが、法律や人権より職場の秩序を優先する「企業中心社会」を変える力になります。 「円満に辞めたい、でも(退職金相殺は)痛い」 どうせ辞めるんだし、裁判というのはどうでしょう?社員の能力を活かしきれなかった会社の勉強代と考え、返さなければいいのです。これは裁判でもきっと勝てる話です。女が卓袱台ひっくり返してもいいじゃないですか。 「立つ鳥後を濁さず」より「イタチの最後っ屁」。 |
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オークサイ オークサイ
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0931−0931
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| (1998.4) |