私の雑誌遍歴と「噂の真相」

桜井真理
 「噂の真相」で男を見る目を養ってきた。

 八六年夏、二十歳。夜の銀座でアルバイトをしている時に、証券会社のお客さんから「噂の真相」を勧められた。出会いの衝撃で一目惚れ。以来イギリス留学の8ヶ月間を除いて毎号買っている。

 遡って八三年冬、高校二年生。「微笑」もびっくりのセックス記事が、国会でも問題となった女のコ雑誌「ギャルズライフ」。 田中康夫の連載「康チャンの女の子自由自在」で、康夫チャンち訪問コーナーに応募した。

 思えばこれが私の「ウワシン的」なもの嗜好の始まりだった。

 康夫ちゃんが編集長を務めた「TREND PAPER」も購読した。休刊後「ペログリ日記」が「噂の真相」で復活したのには小躍りして喜んだ。

 康夫ちゃんファンでありながら、宅八郎にも注目していたので、二人の喧嘩はドキドキしながら見守った。

 振り返ってみると、年齢に応じて様々な雑誌と付き合った。高校時代多くの友人は「JJ」派だったが、私は「an・an」「流行通信」派。しかしいつの頃からか「男に好かれる」「嫌われないマナー「今年の流行」等を追い掛けるアホらしさに気付いてしまった。

 「宝島」はヌード路線に行っちゃうし、「CREA」「STUDIO VOICE」は面白い特集の時だけ読めばいい。美味しい店や旅行では「Hanako」や「ぴあ」にお世話になっても、頼れるのはクチコミ。

 斯くして私は「噂の真相」オンリーになった。「噂の真相」のネチッこいところが好き。ちっとも爽やかでないのが痛快。

 「噂の真相」は嘘が多い、という人もいる。でも新聞、週刊誌、テレビの間違い、嘘、隠し事はもっと多く、悪質。

 胡散臭い人だな、とか、前は面白かったのに最近つまらないと思っていると、間もなく「噂の真相」がその人物を暴いてくれる。好きな人が「噂の真相」に暴かれる、という経験はない。既に私の視点がウワシン的になっているからかもしれない。

 九六年、二九歳。どこぞの町が、町興しにアラーキーのモデル募集をした。私は「包茎亭日乗」を真似て「抱茎亭日乗」なる作品を作って応募した。ところが過激なヌードを撮る人の展覧会を町が主催するのはおかしいと、善良な町民からの横槍で企画が潰れた。

 同じ年「噂の真相」で知った官僚スキャンダルに友人のお父さんの名前を見つけ、その直後に亡くなった。これはショックだった。

 私は「噂の真相」で佐高信、宮崎学、宮台真司など信用できるタイプの男たちを知った。しかし魅力的な女性が少ないのはなぜだろう。ナンシー関しか思い浮かばない。

 よし、決めた。「読者の場」で鍛えて、この際、私自身がデビューしよう!
(雑誌「噂の真相」 投稿1999.4)