消化器系の病気
胃拡張/胃捻転
胃拡張/胃捻転は、命を脅かす危険がある病気で、
その特徴は、ガスや泡状の物質で一杯になった胃が
風船のように大きくふくらむ(拡張)することです。
胃拡張が起きた後に、胃がねじれて(胃捻転)、
胃の入り口と出口がふさがれてしまうこともあります。
胃の拡張が続くと、膨張した胃の圧力によって
腹部から心臓への血液の流れが止まってしまい、
ショックが引き起こされます。
このような状態になると、広い範囲にわたる組織の
損傷や腎臓の機能障害が起こり、まもなくして呼吸と
心拍が停止して死に至ります。
この病気は、胸部の深い大型犬によく見られますが、
まれに小型犬がかかることもあります。
胃拡張/胃捻転の特徴は、一見健康そうに見える犬が
突然病気になることです。原因はわかっていません。
胃腸炎
胃腸炎は、胃と小腸の内壁に炎症が起こることです。
胃腸炎で一番よくみられる症状は、嘔吐と下痢です。
便や吐いたもののなかに血が混じっていることも
まれにあります。この病気は、感染、食物アレルギー、
ごみや異物を食べること、腸内の寄生虫、食事の変化、
あるいは情緒不安などが原因で起こります。
胃腸炎の正確な原因を突き止めるのはなかなか
難しいため、最初は、出ている症状だけを
治療するのが普通です。治療後に症状が再発したならば、
もう少し詳しい検査をすることをおすすめします。
胃腸内の異物
胃腸内の異物というのは、消化管の内部に入った
食物以外のすべての物質を指します。
ペットの消化管の中からは、コインから衣服の切れ端に
いたるまでいろいろな異物が見つかっています。
食物以外にペットが飲み込んでしまうものの種類は、
驚くほどさまざまです。
動物は年齢に関係なく異物を飲み込む可能性が
あります。子犬や子猫の場合に特にその傾向
が強くみられます。
胃腸内に異物が入ったときの症状は、
その異物がどの程度胃腸内をふさいで
いるか、どこにあるか、あるいはその異物が
刺激性であるかないかなどによって違ってきます。
異物を飲み込んだときによく見られる症状としては、
吐いたり、腹部に不快感を覚えたり、食欲が減退したり、
排便がなくなったり、少し落ち着きがなくなったりします。
異物は、潤滑剤や緩下薬(痛みや急激な作用を
起こさずに腸の動きを高める薬)を使って体外に
排出できる場合もありますが、内視鏡や手術で
なければ取り除けないものも少なくありません。
犬猫の歯の疾患
歯石は、さまざまなミネラル塩、有機物質、
食物のかすから作られます。
たまり始めの段階では、歯石は、軟らかな垢の
状態ですが、時間が経つに連れて次第に硬くなり、
歯に貼りついてしまいます。
歯石をそのままにしておくと、歯肉に炎症が生じて、
最後には歯肉が歯の表面に沿って歯の根のほうに
縮んでゆき、歯がぐらついてきます。
このような状態になると、口臭もひどくなり、
口の中の雑菌によって感染しやすくなります。
歯や歯肉の病気を治療せずに放っておくと、
細菌が血管に侵入し、心臓の弁に障害をおこす
可能性があります。
咽頭炎
咽頭炎(喉の炎症)は、喉や他の部位(例えば、耳、鼻、
扁桃腺や肛門嚢など)が感染することによって起こります。
また、ジステンパーなどのような伝染病にかかったために
咽頭炎になることもあります。
感染による以外にも、異物(とげ、骨など)や化学物質が
原因となる場合もあります。
咽頭炎になると、ペットは食事を食べようとしなくなったり、
咳をしたり、吐いたりすることがあります。
効果的な治療を行うためには、臨床検査が必要に
なることもあります。
肝障害
肝臓は、腹部の一番前面にある大きな臓器で、
腹腔と胸腔の間にある筋肉でできた横隔膜に接しています。
肝臓は生命を維持していくために欠くことのできないもので、
有害物質や薬物を解毒したり、脂肪を代謝
(酸化、分解、合成)したり、炭水化物を貯えたり、
胆汁や血漿たんぱくやその他の物質を生成したり、
血液を凝固させる助けをするなどといった100種類以上
にも及ぶ重要な機能を果たしています。
肝臓には組織が非常にたくさんあることや、
肝臓自体が再生する能力を持っていることから、
肝障害は病気がからり進行するまでなかなか発見
できないことがよくあります。
肝障害の徴候は、障害の程度や場所によって異なります。
障害の範囲と性格を知るには、各種の血液検査を行う
必要があります。一般的には、血液検査のみで治療計画
を立てますが、多くの例で肝臓の組織の一部を外科的に
取り出して(バイオプシー)調べてみないとどのような
障害が起きているのか正確な診断はできません。
また、血液検査だけでは、治療計画が立てられず、
バイオプシーによる診断が必至となる場合もあります。
吸収不良症候群
吸収不良症候群にかかると、ペットは、
栄養を小腸から血液中に適切に吸収できなくなります。
この病気の本当の原因はまだ判明していませんが、
穀物に含まれるたんぱく質によるアレルギーが原因では
ないかといわれています。
吸収不良症候群は、腸が慢性的な刺激を受けたり、
腸のリンパの流れが異常になったために起こることも
あります。吸収不良症候群にかかったペットの便は、
軟らかくなり(ときには泡が見られるほど)、
臭いもひどくなります。
通常は食欲がなくなり、体重が減り、頻繁に吐き、
衰弱していきます。吸収不良症候群を診断するには、
症状の臨床検査、身体検査、吸収試験などを
行いますが、ときには腸の生検が必要に
なることもあります。
この病気にかかったペットがどの位の寿命を保つかは、
ペットによってかなり大きな差があります。
急性胃炎
急性胃炎は、胃の炎症が急に起こることです。
腐った食物、ごみ、死んだ魚や動物、骨、プラスチック、
木片、化学物質、薬剤、毒のある植物などを食べると、
急性胃炎になることがあります。
ペットが吐き出したものを調べれば、何を食べたかが
分かることがありますが、急性胃炎の直接の原因と
なったものを胃の中の雑多な食べ物のなかから
選びだすのは難しいのが普通です。
ウイルスや細菌の感染によっても急性胃炎に
なることがあります。
急性膵炎
膵臓は、腹腔の中の小腸の横にあります。
膵臓は、酵素(食物を分解して消化を助ける)を出したり、
血糖の量を調整するインシュリンを作り出す働きをします。
急性膵炎は、この膵臓が突然炎症を起こすことです。
急性膵炎は、太り過ぎの中年の雌犬に最も頻繁に起こる
深刻な病気ですが、それ以外の動物にもみられます。
この病気にかかると、痛みを訴えたり、吐いたり、
元気がなくなったり、ときにはショック状態になって
死に至ることもあります。
急性膵炎の原因としては、脂肪分のとり過ぎ、感染、
膵管の閉塞、損傷、あるいは膵臓を過度に働かせる
ような食事などが考えられます。
急性大腸炎
急性大腸炎とは、結腸(大腸のうちの盲腸から直腸の
手前までの部分)に炎症が起こることです。
急性大腸炎の原因としては、寄生虫、細菌、
異物(骨、ごみ、植物)および食物アレルギーなどが
考えられます。
症状としては、下痢、糞便中に血液や粘液が混じる、
しぶり、排便時の痛み、衰弱、歩行を嫌う、腹部の痛み、
脱水状態などがみられ、その程度はごく軽いものから
深刻なものまでさまざまです。
病状を診断して治療の計画をたてるために、
臨床検査やX線検査を行います。
巨大食道
巨大食道とは、食道が拡張したために食べ物を喉から
胃にうまく呑み下せない状態をいいます。
巨大食道は、猫よりも犬のほうに頻繁に起こります。
巨大食道になることから併発する病気の中で
最もよくみられるのは、呑み下せない食べ物を気管に
吸い込んでしまうことによって起こる肺炎です。
この病気は成長した動物にも突然起こることもありますが、
一番かかりやすいのは離乳した直後の幼い動物です。
巨大食道は、ワイヤーヘヤード・フォックス・テリアや
ミニュチュア・シュナイザーの場合には遺伝します。
その他の犬種でも遺伝することがあります。
下痢
非常に水に富んだ便を頻繁にすることを下痢といいます。
下痢そのものは病気ではありませんが、
小腸や大腸に何らかの障害がある場合には、
下痢をすることがよくあります。
下痢になる原因としては非常に多くのことが
考えられるため、本当の原因を突き止めるには、
いくつかの種類の違う検査が行われます。
口蓋裂
口蓋裂は、親から遺伝的に受け継がれる欠陥で、
口蓋に異常な穴(裂け目)があるために、流動性
または固形性の食べ物を食べると、
それが鼻の中にまで入ってしまいます。
この裂け目は、口蓋の固い部分(軟口蓋)の
どちらかにあるか、あるいはその両方にみられる
こともあります。
裂け目の大きさも、小さな切れ目程度のものから、
重症の場合には、口蓋がまったくないくらいの大きな穴に
なっていることもあります。
生まれたての動物の口蓋裂が大きい場合には、
哺乳が困難になったり、ときにはミルクを気管支へ
吸い込んで気管支肺炎を引き起こし、
死んでしまうこともあります。小さな口蓋裂の場合には、
ミルクが泡になって鼻から出てきたり、鼻からいつも
何かが流れ出ているといった程度の症状が見られます。
好酸球性胃腸炎
胃腸炎というのは、胃や小腸の内壁に炎症が
起こることです。好酸球というのは、この炎症に関係
している白血球の種類を指す言葉です。
このような炎症が起こると、吐いたり、下痢をしたり、
小腸から頻繁に出血したりします。
病状が進むと体重が減り、ときには脱水状態に
なることもあります。
なぜこの種の白血球(好酸球)が胃や小腸の中に
侵入するのかは、まだ解明されていません。
好酸球性胃腸炎の原因としては、アレルギー、寄生虫、
細菌などが考えられます。ほとんどの場合、
この胃腸炎は治療によって治りますが、その治療には
非常に長い時間がかかります。
口内炎
口内炎は、口の中の組織に炎症が起きることです。
口内炎になる原因は数多くありますが、なかでも
外傷(けが)、感染、アレルギー、免疫学的疾患、
刺激性の物質の摂取、腎臓病などがよくみられます。
口内炎を引き起こすもととなった異常が何であるか
調べるには、各種の臨床検査やX線検査を行う
必要があります。
歯の病気は口内炎を伴うことがよくあるため、
口内炎の治療の一部として歯の治療を
行うことを獣医師がすすめる場合もあります。
肛門嚢の病気
肛門嚢は、肛門の左右両側の皮膚のすぐ下にあります。
肛門嚢からは細い管が出ており、この管が体外に
開口しています。肛門嚢の中にある分泌腺からは、
濃い色をした臭いの強い物質が分泌されます。
動物の腸にはぜん動という動きがみられ、
肛門嚢は、排便とともに空になっているのがふつうです。
なぜ肛門嚢のような器官があるのかは、
まだよく分かっていません。肛門嚢がなくても、ペット
の生活に支障が起こることはありません。
肛門嚢の病気には、次の3種類があります。
1.埋伏:肛門嚢内の液体の粘り気が強いため、
外に排出されない状態。
2.感染:肛門嚢が細菌「に冒されたために、
黄色や血の色をした膿が出ます。
体のほかの箇所(例えば、眼や耳や扁桃腺や
皮膚など)も感染していることがあります。
3.膿瘍:感染が起こると、肛門の近辺が腫れて熱を持ち、
触ると痛がります。腫れた部分の軟らかい
皮膚が破れて、膿や血が出ます。
肛門嚢に障害が起きると、肛門を床い着けてずったり、
尾の下側を頻繁になめたり、尾や肛門の近辺
を触ると痛がったり、肛門のまわりに血や粘り気の
あるものが排出されます。
歯周囲病
歯周囲病にかかると、歯を正常な位置に支えておくための
構造がこわれてうまく働かなくなります。
通常、歯周囲病に対する最初の防御は歯ぐきの縁で
行われます。ここに細菌がつくと、歯ぐき(歯肉)が
いためられ細菌の侵入を許してしまいます。
そうなると、細菌に対してあまり強くない歯周組織が
おかされ、次第に歯そのものが損傷を受けるように
なります。このようになってしまうと、歯がぐらつき
始め、最後には抜け落ちてしまいます。
歯周疾患にかかると、歯の表面に黒ずんだ茶色い物質
(細菌の固まりに石灰が沈着したもの「歯石」と
呼ばれます)が付いたり、歯ぐきから血が出たり、
あるいはその両方がみられることがあります。
歯肉炎
歯肉炎は、歯ぐきが炎症を起こすことです。
歯肉炎になる一番の原因は、歯ぐきと歯の境目に歯石が
たまることです。これ以外の原因としては、
細菌やウイルスによる感染、異物(毛、食物、植物の
切れ端)刺激性の物質などがあります。
歯肉炎は、症状が徐々に悪くなっていく性質の病気です。
早期には歯ぐきの周辺がわずかに赤くなるだけ
ですので、歯肉炎になっているかどうかはなかなか
わかりません。病気が進行してくるにつれて、
歯ぐきが腫れて、口臭がひどくなり、ときには歯ぐきが
ただれたり潰瘍になることもあります。
歯肉炎を治療せずに放っておくと、歯が抜けたり、
もっと深刻な歯ぐきや歯の病気にかかってしまうことが
よくあります。
歯肉肥大
歯肉肥大とは、口の中の歯ぐきの組織が増殖する
ことです。この病気は、5歳以上の犬がよくかかる
ものですが、それより若い犬にも見られることがあります。
患部の広さは、歯ぐきのほんの一部の場合
もありますし、歯ぐき全体のこともあります。
歯肉肥大の一番の原因は、歯石がたまりすぎて、歯ぐき
が慢性的に感染していたり炎症を起こしたりするためです。
この病気の現れ方としては、エプーリス(歯肉腫脹)になる
ものと、広汎性の歯肉肥大(歯ぐき全体に過度の成長が
見られるもの)との2通りがあります。
エプーリスとは、歯肉の一部が厚く大きくなることです。
このように肥大した箇所は、非常に固くなり、
歯肉のほかの部分と同じような色をしています。
広汎性歯肉肥大の場合には、歯ぐきが成長しすぎて
歯全体を歯ぐきが覆い隠してしまうことさえあります。
歯ぐきは真っ赤になり、通常は痛みを伴います。
また、歯ぐきから出血したり、歯がぐらついてきます。
出血性胃腸炎
出血性胃腸炎になると、胃と小腸に炎症が起こり、
突然吐いたり血が混じった下痢をします。
なぜ出血性胃腸炎になるかは完全に判明して
いませんが、細菌の毒素、ウイルス、アレルギーなどが
原因ではないかと考えられています。
あらゆる品種のどのような年齢のペットでも
この病気にかかる可能性がありますが、
なかでも年齢の若いトイ種やミニチュア種の犬が
かかることが多いようです。
出血性胃腸炎の進行は非常に早く、数時間のうちに
ひどいショック状態になって死んでしまうことも
あるので、その治療にも緊急を要します。
前臼歯の膿瘍
上あご最後部の前臼歯は、感染することがよくあります。
前臼歯には歯根が3本あり、感染すると、
骨の周囲まで広がり皮膚を突き抜け、
眼の下に排液するきずを作ります。逆に顔面にうけた
傷が原因で前臼歯が感染を起こすこともあります。
蛋白喪失性胃腸症
胃腸が果たす主な機能は、食べ物から栄養分を吸収し、
身体で使えないものを排出することです。
蛋白喪失性胃腸症は、胃や脹(またはその両方)の
複雑な病気で、これにかかると、食事から
たんぱく質を十分に吸収できなくなります。
この病気んお原因としては、リンパ管の障害、長時間
にわたる胃腸の炎症、ある種の癌、カビによる胃腸の
感染などが考えられます。
蛋白喪失性胃腸症にかかっている場合は、
上質の食事を与えているにもかかわらず、体重の減り
具合がひどくなり、どんどんやせていきます。
下痢を起こすこともありますが、普通はそれほど頻繁
でなく時折起こる程度です。
唾液腺嚢胞
唾液は、唾液腺から管を通って口の中に出てきます。
この管はときどき破裂するおそれがあり、
破裂すると唾液が管の周囲の組織の中に漏れ出します。
その結果、中に液体が入った軟らかい嚢胞が数ヶ月
または数年もかかってゆっくりと形成されていきます。
腸炎
腸炎とは、小腸に炎症が起こることです。
腸炎になる原因としては、微生物(細菌、ウイルス、かび
など)、異物(骨、木片、植物など)、アレルギー、
情緒障害、寄生虫、腸の神経障害、酸素の不足
などのさまざまな原因があります。臨床検査や
X線検査を行わなければ腸炎の本当の原因を判断
しにくい場合もあります。
腸閉塞
腸閉塞は、腸内が部分的または完全にふさがれる
ことによって、食物が正常に通過できないことをいいます。
腸をふさぐ原因になるものとしては、
口から体内に異物が入ったため、腫瘍ができたため、
腸の一部が腸の別の部分に陥入したため(腸重積症)、
腸内にある糞便が押し込まれて動かなくなるため、
あるいは腸の一部が麻痺するためばどが考えられます。
腸閉塞になると、嘔吐や食欲減退や腹部の痛みなどの
症状が現れます。
症状が進むと、衰弱したり脱水状態になります。
腸閉塞を治療せずに放っておくと、
普通は死んでしまいます。
直腸脱
直腸脱とは、排便時の極度のしぶりの結果起こります。
大腸の一部(下部消化管)がめくれて、ちょうど靴下を
裏表にしたような状態になり、肛門から突き出てきます。
直腸脱はしぶりが原因で起きますが、そのような肛門への
強い力を引き起こす原因にはさまざまなものが
考えられます。
たとえば、下痢、便秘、腸内の寄生虫、飲み込んだ異物、
腫瘍、犬や猫の分娩、前立腺の病気などによって
しぶりが引き起こされます。
直腸脱を治療するには、突出した消化管を元に
戻すとともに、しぶりの原因となったものを取り除きます。
場合によっては、手術をして脱出を整腹しなければ
ならないこともあります。
突発性大腸炎
突発性大腸炎とは、腸の下部(結腸)に炎症が
起こることです。
これにかかると腸のこの部分の内壁が炎症を
起こして潰瘍になり、しぶりと下痢を起こします。
便には血や粘液が混じっている場合が多く、
便の臭いもひどくなります。
この病気には、どのような品種の犬でも
かかる可能性がありますが、一番よくかかるのが
ボクサーです。
2歳未満の犬がかかることが最も多く、
上で述べた症状以外にきわめて健康そうに見えるのが
特徴です。この病気になる原因はわかっていません。
扁桃炎
扁桃腺は、一対の小さく長い組織の塊で、
喉の奥にあります。
返送腺は、鼻や喉に入ってくる微生物を破壊する
働きをします。
扁桃炎とは、扁桃腺が炎症を起こすことです。
扁桃炎は、年齢の若いペットがよくかかります。
また、若年期に何回も繰り返しかかることもあります。
成長するにつれてこの病気に対する抵抗力が付いて
くるのが普通です。
通常は、薬物治療によって完治しますが、
繰り返し何回も扁桃炎にかかるような場合には、
手術をして扁桃腺を取り除くことも考える必要があります。
扁桃炎は、他のペットやときには人間にも感染する
こともあります。
ペットが扁桃炎になると、熱が出て、食欲がなくなり、
ものを呑み下すときに苦しがり、吐き気を催して
白っぽい泡立った粘液を吐き出したりします。
便秘
ごくたまにしか排便しないことや、
なかなか排便できないことを便秘を言います。
便秘になると便は水分の少ない固いものになるため、
痛みやしぶりを感じることになります。
便秘になることは大腸の働きに問題があることを
意味しますが、便秘それ自体は病気ではありません。
便秘の原因としては非常に多くのことが考えられます。
そのため、個々の便秘のケースの本当の原因を
調べるには、さまざまなテストや検査をいくつも
行わなければならないことがあります。
ボクサーの潰瘍性大腸炎
ボクサーの潰瘍性大腸炎は、慢性的な(長期間に
わたって存在する)大腸の病気で、2歳以下のボクサーに
最もよくみられます。
この病気の原因は、まだ判っていません。
この病気にかかったボクサーは、長期にわたって
血の混じった下痢をするようになり、しぶりを伴って
血や粘液を含んだ少量の半固形状の便をします。
この病気にかかっても健康状態はそれほど
悪くなりませんが、普通は体重が減ってきます。
なかには、吐く犬もいます。
痙攣性結腸
痙攣性結腸とは、刺激を受けた大腸が長い間
興奮して反応することで、精神的なストレスが原因で
起きることがよくあります。
たとえば、ペットを長時間一人きりにしておいたり、
ペットホテルに預けたり、激しい運動をさせたり、
長期間にわたって狭いところに閉じ込めて
おいたりすることによって、結腸が痙攣しやすくなったり、
刺激に対して過敏に反応するようになることがあります。
痙攣性結腸の発作を起こしたペットは、
軟らかい便や液状の便を少量ですが頻繁にします。
かすかに、血の混じった透明な粘液しか
排泄されないこともあります。
痙攣性結腸以外の病気にかかっていないかどうかを
調べるために身体検査や臨床検査や
X線検査を行う必要がありますが、
痙攣性結腸のほとんどのケースでも、
これらの検査を行うのが普通です。
寄生虫の病気でないことを確かめる
ために何回も検便を行います。
慢性胃炎
慢性胃炎は、胃壁が長期間にわたって炎症を
おこしている状態です。
慢性胃炎の原因として考えられるものは数多くありますが、
個々のケースについて直接の原因を特定するのが難しい
場合もあります。
特定の物質や薬品に繰り返し接触していたために
慢性胃炎になることがあります。
胃の中に入った異物が直接の原因になることも
しばしばあります。
また、進行中のより重大な他の病気の症状の1つとして、
慢性胃炎になることもあります。
慢性胃炎に最もよくみられる症状は、頻繁に吐くことです。
体重が減ったり、食欲がなくなったり、
腹部の張りがなくなったり、胃から出血したりする
こともあります。慢性胃炎の診断には、1つだけでなく
いくつかの方法が利用されることがあります。
慢性膵炎
慢性膵炎の特徴は、膵臓に炎症が繰り返し
起こることです。
膵臓では酵素と呼ばれる化学物質が作られます。
酵素は小腸へ送り出されて、消化と血液中への
栄養吸収を助けるために食物を分解します。
膵臓が炎症を起こすと、
消化が完全には行われなくなるばかりか、
ときには、炎症を起こした膵臓が自分自身を消化し
始めてしまうことさえあります。
膵炎にかかると、消化不良が起こり、ひどい場合には
ショックや死を招くことがあります。
慢性膵炎にみられる症状としては、頻繁に吐いたり、
鼓腸(胃腸内にガスが多量に発生して腹部が
張ること)がみられたり、
食欲があるにもかかわらず体重が減ったり、
粘土色の軟らかい便通があること等があげられます。
慢性膵炎の原因としては非常に多くのことが
考えられるため、その診断には種々な臨床検査が必要
になります。
慢性膵炎を完全に治療することはなかなか難しく、
薬や食事療法で病気をおさえることしかできない場合が
ほとんどです。また、慢性膵炎になると糖尿病を併発する
こともしばしばあります。
慢性大腸炎
慢性大腸炎とは、長期間にわたって結腸
(大腸のうちの盲腸から直腸の手前までの部分)に
炎症が起こっている状態です。
慢性大腸炎の徴候としては、間欠的あるいは連続的な
下痢、粘液状、あるいは血様の便がみられ、
排便時に苦痛を訴えることが挙げられます。
一般に、慢性大腸炎になると、体重が減り、
毛につやがなくなります。
何が原因で慢性大腸炎になったかが判断しにくい
場合もあります。
一般的な原因としては、寄生虫、細菌、アレルギー、
神経質、不安、
あるいはストレスなどが挙げられます。
また、これといった原因が見つからない場合もあります。
門脈シャント(短絡)
門脈シャントとは、肝臓の血管(門脈)に異常が
生じたために、腸からの血液に流れの一部または
全部が肝臓を通らずに迂回(短絡)してしまい、
全身の血液循環に直接に入ってしまうことです。
門脈シャントが引き起こす非常に深刻な事態としては、
食事後の血中のアンモニアの量が増えるということが
あります。
血中アンモニアの増加は、脳機能に重大な障害を与え、
その結果、発作や昏睡状態や死を招くこともあります。
門脈シャントは、ペットの出生時にすでに存在している
(先天的な)場合もありますし、
出生後に起こる(後天的な)ものもあります。
いずれの場合でも、門脈シャントは深刻な病気です。
幽門狭窄と幽門痙攣
幽門は、胃と小腸の間にある筋肉組織でできた
通路のことです。
幽門は普通は閉じているので胃に食物をためることが
できます。
胃が満たされると、幽門は胃の収縮のリズムに
あわせて開き、食物を小腸へと導きます。
幽門痙攣の場合は、この筋肉が弛緩することが
できなくなるため、胃から食物が出にくくなります。
このようになると、まだ消化されていない食物を吐き
戻すようになります。
幽門狭窄は、幽門が狭くなる病気です。
この病気の場合も、食物が胃からなかなか出て行かない
ので、嘔吐を起こすのが普通です。幽門狭窄は、
ペットの出生時にすでに存在している(先天的な)
場合もありますし、あるいは、慢性的な感染、
治療していない幽門痙攣、幽門にできた腫瘍などが
原因で起こることもあります。
最終的な診断を下すには、X線検査や診断のための
手術(試験開腹)を行う必要があることもあります。

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